性(行為)感染症(S.T.D)の原因・対処法から予防法まで詳しく解説!

 性行為感染症S.T.D(Sexually Transmitted Disease)とは、性行為によって感染する病気で、男女ともにかかる危険がありますが、若い世代と女性の患者が急激にふえています。

 たとえばエイズ、HIVの患者のうち男性では20代が3割、全体の半数は女性です。女性が性感染症に感染した場合、エイズのように母子感染の危険があるだけでなく、淋病やクラミジアのように不妊症になることもあります。

■1■ 性行為感染症とは?
■2■ セルフチェック
■3■ 原因
■4■ 治療
■5■ 予防
■6■ Q&A

■1■性行為感染症とは?

 性交渉が原因で感染する病気としては、数十年前には梅毒、淋病、軟性下疳などが代表的で感染者の大半は男性でしたが、最近では女性の性に対する意識の変化や、感染症についての知識が十分でない10代から性行為もまじえた交際をするケースが多くなったためか、女性の感染者が急激にふえています

 さらに①ペニシリンなど抗生物資での治療が容易になって性感染症への不安や恐怖が少なくなったこと、②これまでの治療薬では効果のない菌が出てきたこと、③オーラルセックスなど性行為のスタイルが多様化したこと、③ピルなどの経口避妊薬が広まってコンドームを使用する人が少なくなったこと、④旅行先での海外での体験もふくめて性交渉の対象が広がったことなどの理由で、感染症の種類も多くなってきました。

 体調をくずしたときにも発病するカンジタ膣炎、淋菌の付いた手や衣類から感染する淋病のようなものもありますが、ほとんどの性行為感染症は、すでに感染している人との性交渉によって発病します。多くは早期の治療で完治しますが、妊娠中の場合は母子感染の危険もありますから、とくに要注意です。

 性感染症には、性器のかゆみ、痛み、ただれを伴うものがありますが、自覚症状として気づきやすいのは、おりものです。おりものの色や量の変化は感染した場合の危険信号です。生理の周期と同じように、自分のおりものの状態もつねにチェックしておきましょう。

■2■セルフチェック

性感染症ごとに、セルフチェックのポイントをまとめました。

かゆみ・痛みおりもの・出血・その他 潜伏期間
クラミジア感染症比較的少ない
排尿時に痛み
量がふえる
子宮頚管に感染すると、不正出血やウミ
交渉後約2週間
ただし70%は自覚症状なし
淋病痛みはないが外陰炎を起こすとかゆみ灼熱感量がふえる
外陰炎になると赤くはれる
はっきりしていない
梅毒痛みはないが進行すると全身にかゆみのある斑点①しこり、しこり表面が潰瘍に(硬性下疳)。(この症状は見逃しやすい)
②胴体や手のひらに梅毒疹(バラ疹)という扁平な湿疹、その後潰瘍となり悪臭(扁平コンジローム)
③心臓、血管壁、筋肉、骨に変化が現れる
①約3週間
②感染後3ヶ月前後
③感染後2~5年以上
尖圭コンジローマイボがつぶれると排尿時に痛み外陰部、肛門周辺に白、灰色のイボ増殖してかたまりに数週間から数ヶ月
性器ヘルペス激しく痛む膣、膣入り口周辺に水泡
破れるとただれ、潰瘍
接触後2~10日
カンジタ膣炎膣内や外陰部のかゆみ激しい豆腐のカス状
トリコモナス膣炎外陰部の痛み、かゆみ悪臭がある
黄色で泡状
放っておくと濃くなり緑色に
非特異性膣炎軽いかゆみ
外陰部のはれ、ただれ
悪臭がある
茶褐色、緑色、量が増える

■3■原因になる菌やウイルス

クラミジア感染症目にトラコーマを起こすクラミジア・トラコマティス
淋病淋菌
梅毒梅毒トレポネーマ
尖圭コンジローマヒト・パピローマ・ウイルス(HPV)
性器ヘルペス単純ヘルペスウイルス(HSV)
カンジタ膣炎カンジタ・アルビカンス
性行為以外にも、疲労などで身体の抵抗力が落ちて膣の自浄機能の低下したときに感染することがあります。
トリコモナス膣炎寄生虫トリコモナス
抵抗力の落ちているとき、ごくまれに非常に不潔な便座、浴槽などに触れて感染することがあります。
非特異性膣炎大腸菌、ブドウ球菌、連鎖状球菌など一般的な細菌
同じタンポンを長時間入れたままにおいたときなどに感染することがあります。

■4■治療

 ■2■セルフチェックで説明したような症状が見つかった場合には、口コミなどで得られる情報に頼らず、すぐに泌尿器科や婦人科の専門医の診断をあおぎ、その指示に従いましょう

 治療中に不快な自覚症状がなくなったからといって医師の処方した投薬や塗り薬の使用を中止するような素人判断も厳禁です。完全に治ったと医師が判断するまで通院し治療をつづけることが、再発と、ほかの人への感染の防止にもなるベストな治療法です。

治療法と、おおよその期間注意すること
クラミジア感染症抗菌剤を服用、2~3週間で治ります放置すると子宮内膜症や卵管症を併発し不妊症になることがあります
淋病ペニシリンなどの抗生物質の注射や内服で治癒は早い
梅毒ペニシリンなどの抗生物質の注射や内服(1週間~1ヶ月で治る)
尖圭コンジローマイボを電気メスで切る
抗がん剤入りの軟膏(2~3ヵ月で完治)
徹底治療をしないと再発します
性器ヘルペス抗ヘルペス剤の軟膏潰瘍がかさぶた状になって治癒したと油断しないこと
カンジタ膣炎内服薬の服用(2~3週間で治る)
膣内に座薬や内服薬を使用(10日程度で完治)
再発しやすい
トリコモナス膣炎膣内に座薬、外陰部に軟膏
内服薬を服用(約1週間で完治)
パートナーと一緒に治療しないと再発の危険が大きい
非特異性膣炎膣内に座薬、内服薬を使用
(約1週間、慢性化した場合は2~4週間で治る)

■5■予防

 性行為感染症の言葉どおり、感染は性行為によるものですから、行きずりの知らない人との性交渉は避けるべきでしょう。ただし、スタディな相手との行為でも相手が別な人との性行為で感染してしまえば、うつされる危険にさらされます。

 経口避妊薬ビルの解禁で、避妊にコンドームを使うケースがへってきましたが、コンドームは避妊だけでなく感染症の予防には効果があります

 ただしオーラルセックスでの感染もありますから、性交渉の相手は慎重に選びたいものです。少なくとも発病したときに、おたがいに率直に打ち明け合って、一緒に治療できるような相手が望ましいでしょう。

■6■Q&A

Q1 海外出張の多い夫には秋ごろからインフルエンザのような症状がつづいていました。市販の風邪薬をのんでもいっこうによくならないので、医者に行ったところ、B型肝炎にかかっているとのことで、夫婦生活をしばらくひかえるように言われました。肝炎といえば、お酒好きな人に多い病気くらいのつもりでいましたから、お酒を飲まない夫が、なんで? とびっくりしました。B型肝炎も性感染症なのでしょうか。

A1 B型肝炎の感染ルートとしては、B型肝炎ウイルス(HBV)をもっている母体内での母子感染、輸血などからの感染もありますが、最近のB型肝炎は、ほとんど性行為によるものと言われています。B型肝炎の潜伏期間は45~180日ですが、アジアを中心とした太平洋地域では、このHBVキャリアは人口の5~15%以上といわれています。たしかに食欲不振、倦怠感、腹痛、吐き気などインフルエンザや風邪に似た症状ですが、肝炎によく見られる黄疸の症状もあったはずです。ほかの肝炎と違って慢性化することは少ないので、医師の指示に従って、完治させておきましょう。

Q2 先日、半年ほど付き合っていた彼とたまには気分を変えようとオーラルセックスを試みたところ、なんと、小さなカニのようなムシがヘアに! キャアー、という叫び声はのみ込んだものの、すっかりその気をなくして、さっさと一人で帰ってきてしまいました。

A2 賢い選択だったと思います。ヘアだけでなく腋毛、頭髪、眉毛にも寄生します。不潔な性交など感染し、最近、ふえています。治療は簡単で、寄生しているところの毛をそって、スミチオンなどの低毒性の有機リン剤を塗って駆除します。毛根に産み付けられた卵がかえるまでの8日間以上は、しっかり塗らなくてはなりません
なにはともあれ、一度、婦人科で診てもらってください。

Q3 以前、半年ほど前に付き合っている彼氏の元彼女が亡くなったという話を風の便りで聞きました。ショックだったのはエイズだったらしいということなのです。とても不安な毎日です。

A3 エイズ、後天性免疫不全症候群(AIDS)についての正しい情報は、いろんなところで容易に手に入りますが、その割には、相変わらず「風の便り」ような噂に惑わされやすいケースが後を絶たないのは、とても残念なことですね。ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が、血液や精液、膣内分泌液などから感染することはよく知られています。HIVに感染すると6~12週間くらいで抗体がつくられ、陽性反応が出ますから、心配ならば、保健所で検査してもらいましょう。不安がっているよりも自分の健康状態を知ることのほうが、それこそプラス思考ですし、エイズの治療法は、日進月歩、万一キャリアとわかったとしても病名が示すとおり、免疫力を高める治療で、これまでのライフスタイルをつづけることも不可能ではないのです。

妊娠リスク度や不妊症をチェックしましょう!

性感染症が気になる方は妊娠リスク度や不妊症リスク度をチェックしましょう!

 元気な赤ちゃんを産むためには、普段より体をいたわりながら、出産準備を整えていく必要がありますが、リスクが高い場合は、高度な医療機関に相談しなければならないこともあります。

 事前に専門の先生に相談することで、リスクを回避でき、安心して出産できる可能性も高まりますので、「妊娠リスク度チェック」であなたのリスクを確認してみましょう。

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 一般的に「不妊症」とされるのは「妊娠を望んでいるカップルが通常の性生活を行っているにもかかわらず、1年を経過しても妊娠しない場合」です。現在10組に1組のカップルが何らかの原因で不妊症であるというデータがあります。

 普段の生活を見直し、不妊のリスクがないか思い当たるものをチェックしてみましょう!
 ※こちらのチェックは女性を対象としたチェックになります。

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