肩こりの原因と対策
肩コリがお年寄り特有のものだったのは、昔の話。いまや現代病といわれるほど、肩コリに悩む若い人、とくに女性が増えています。慢性化すると厄介で辛いですし、症状が進むとさまざまな障害が出ることもあります。たかが肩コリされど肩コリ。この「肩コリ」の原因と対策を考え、解決策を探っていきましょう。
肩こりの原因
■肩コリのメカニズムを知る ― 解決策への第一歩
私たちは毎日、二本足の直立歩行で生活しています。ですから首や肩には常に頭や腕の重みがかかっています。首の骨は頭を支えるため、しなるようにゆるやかな曲線となっていますし、周囲の筋肉もバランスよく頭や腕を支えています。
無理な姿勢が長時間続くとこのバランスが崩れ、首や肩の筋肉に負担がかかります。そうすると筋肉内の血行が悪くなり、血液内の酸素や栄養が不足して老廃物が筋肉内に蓄積し、筋肉が硬くなります。筋肉が硬くなると神経が刺激され、肩が痛くなるのです。
■肩こりの原因を知る ― 日常生活をチェック!
肩コリの原因の多くは、筋肉疲労と血行障害です。日頃の生活の中で、首や肩に負担がかかる場面をチェックしてみましょう。
□よくない姿勢
- ゴロンと寝転んで本を読む、テレビを見る
- 電車で居眠りする、ソファーでうたたねする
- 寒くて肩をすぼめる、背中を丸める
- 首を曲げて前かがみでシャンプーする
- 猫背であごが前に出ている
- 重いものを持つ
□運動不足
筋肉を使わないでいると、血行が悪くなり、筋力も低下します。
□ストレス
ストレスは大敵!筋肉を緊張させ、欠陥を収縮し、血行を悪くします。
□冷え
身体が冷えると筋肉が緊張し、血行が悪くなります。薄手で小さい下着などは要注意です。
□ファッション
ガードルなど身体を締めつけるような下着は血行を悪くします。身体に合わないブラジャーやきついストラップも肩に負担がかかります。また、重いネックレースやチョーカーも首に負担がかかります。
□体格
なで肩の人は、腕を支えている肩から背中にかけての筋肉に負担がかかりやすいといえます。
□目
長時間のOA操作や読書などの目の酷使、また度の合わないメガネやコンタクトレンズの使用も肩コリに影響します。
□睡眠不足
起きている時間が長いと筋肉が緊張している時間も長くなります。睡眠により筋肉を休めて疲労回復する時間も短くなります。
また、こうした筋疲労の他、自律神経に影響したり、精神的ストレスが蓄積したりもします。
■肩こりの原因に関するQ&A
Q
「慢性的な肩こりなのですが、かなり強い痛みで困っています。休んだりマッサージしていれば、自然に治るでしょうか?」
A
「普通の筋肉疲労や血行障害であれば、あまり心配はいりません。血行をよくすれば改善されるでしょう。しかしとくに心あたりがないのに激しい痛みがあったり、もしくは手足のしびれなどの症状があれば、注意が必要です。病気が隠れているおそれもありますので、整形外科など、一度病院に行くことをおすすめします。」
Q
「歯医者で、肩がこるのは噛み合せが悪いせいではないかと言われました。歯と肩コリって関係があるのですか?」
A
「噛み合わせが悪かったり、虫歯などがある場合、顎から首、肩にかけての筋肉の使い方にアンバランスが起こります。また、いつも片側だけでモノを噛む癖も、こうした理由で肩こりを招くことがあります。両方の歯でバランスよく食べるように心がけてください。」
肩こりの対策
若い女性に多い肩こり。悪い姿勢や運動不足、ストレス、冷えなど、日常生活の中にもいろいろ原因があるようですね。今回は、ちょっとした心がけで辛い肩こりをやわらげる、セルフケアの方法をご紹介します。
■セルフケアその1 「ちょっとした心がけ」
●ぬるめのお湯でゆったり入浴
入浴は血行を促進してくれるうえにリラックス効果もあるので、疲労回復には効果的です。ぬるめのお湯にゆっくり浸かり、筋肉をときほぐしましょう。
ただし、疲労が強いときや風邪をひいて体調がすぐれないときは、洗面器にお湯を入れて足首まで浸す足浴などがいいでしょう。手足は毛細血管が集中しているので、部分浴でも効果があります。5分以上が目安ですが、足は手より温度を熱く感じるので、手で少しぬるいと感じる程度がよいでしょう。
●バランスの良い食事
即効性はありませんが、食事内容も、肩コリを徐々に緩和してくれる効果があります。
整形外科では、血液の循環をよくするビタミンEが処方されることもあります。また、ビタミンB群は神経や筋肉に働きかけ、痛みを緩和させるといわれています。
骨や筋肉をつくってくれる食事を摂るよう心がけることも大事です。カルシウムや良質のたんぱく質をバランスよく摂りましょう。カルシウムには神経・精神を安定させるなどの働きがあります。「多く摂る」ことよりも効率よく吸収されるかどうかがポイントですから、カルシウムの吸収を助けてくれるビタミンDやカルシウムとともに骨をつくるマグネシウムなどと一緒に食べるようにしましょう。
■セルフケアその2「その場でできる運動&ストレッチ」
運動すると筋肉内の血行が促進され、筋肉の柔軟性、筋力、持久性もアップします。精神的なストレスも解消し、緊張が緩和されます。
まず肩、首の順に筋肉を動かして十分にして血行がよくなってから<1>、肩<2>、首<3>の順にストレッチをします。
<1>まずは肩こりのための運動
- 肩を上下に動かす〔肩すぼめ〕
- 肩を前後に動かす
- 肩を前・後に回す
- ひじを曲げ伸ばし
- 首を前後左右に曲げる
- 首を左右に振る
- 首を右回り、左回りに回す
<2>次に肩こりのストレッチ
<3>最後に首のストレッチ
■注意<効果的なストレッチのために>
(1)筋肉を痛めないように、できれば歩き回ったり、全身、腕、肩を軽く動かしてウォーミングアップしてから始めましょう。
(2)2,3回に分けて段階的にストレッチしましょう。一度に強くストレッチすると筋肉、腱を痛めます。
(3)できれば背伸びや前屈などから始め、次に肩のストレッチをしましょう。首周囲のストレッチは、肩のストレッチを十分にしたあとで、無理のないように行ってください。
■肩こりの対処に関するQ&A
Q
「整形外科に行ったらレントゲンを撮りましょうといわれたのですが、なぜですか?筋肉はレントゲンには写らないとはずですけれど・・・」
A
「肩こりのほとんどが首や肩の筋肉疲労が原因ですが、頚椎などの病気から起こることもあり、そのチェックにレントゲン撮影は有効です。レントゲン写真では骨・関節の変形、椎間板の変性、脊椎の並び方の異常、骨の硬さなどを主に調べます。たとえば骨粗症は頚椎の間隔を狭めたり、神経などを圧迫する原因となりますので、こうした変形や骨が薄く写ることでチェックが出来ます。肩関節の異常の有無についても、レントゲンでわかります。」
Q
「整体やマッサージに行ってみたいのですが、トラブルも多いと聞くのでちょっと不安です。」
A
「軽い肩こりであればマッサージもよいかもしれませんが、コリが強く首や肩が動かない場合、またしびれや筋力低下などがある場合には、整形外科で調べた方がよいでしょう。明らかな異常があって治療の必要がある場合には、整体やマッサージはお薦めできません。また症状が軽い場合でも、強い力を加えて施療する施設も危険です。もし不安であれば、どのような施療をしてくれるのかを最初によく質問してみてください。説明が不十分だったり強い力での施療を薦めるような施設は避ける方がよいでしょう。
Q
「運動不足なので何かスポーツを始めようと考えています。肩こりに効果的なものがあれば教えてください」
A
「首や肩の筋肉を強化する運動が効果的です。ダンベル運動、水泳、ボート漕ぎなどがお薦めです。ただし、痛みが軽いかほとんどない場合にのみ行ってください。痛みが強い場合は控えてください。」
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